引越しで印鑑登録の住所変更手続きは必要?

引っ越しの際に役所で行う手続きのひとつに、「印鑑登録」の変更があります。印鑑登録で証明された正式なハンコは実印といい、実印は不動産取引や自動車登録などに必須の大事なものです。いざ必要になったタイミングで「印鑑登録の引越しを済ませていなかった!」とならないよう、早めに手続きしておきましょう。

印鑑登録とは

印鑑登録とは、市区町村役場へ印鑑を正式に登録することによって「自分だけの印鑑」であることを証明するために行う届出です。
印鑑登録ができるのは15歳以上(被後見人は除く)で、1人につき1個の印鑑を登録することができます。 また、印鑑登録を行った証明として「印鑑登録証」(カード)が発行されます。

印鑑登録された印鑑を「実印」と呼び、法律上、社会上の権利や義務の発生を伴う非常に重要なものですので、安全な場所で保管しておきましょう。
実印が必要な場面としては公正証書や借用書、契約書の作成のほか、不動産取引、自動車購入、保険金受領などが挙げられます。

印鑑証明書とは

印鑑登録をするきっかけとして、印鑑証明書が必要な場面が少なくありません。「印鑑証明書」は印鑑登録を行った際に発行される「印鑑登録証(カード)」とは別の物で、押印した実印が本人のものであることを証明する大事な書類です。実印と印鑑証明書によって本人が実印で捺印した書類であることが認められるため、本人になりすました第三者が契約してしまうことを避けられます。
印鑑証明書には実印の印影だけでなく住所、氏名、性別、生年月日のほか、登録番号、登録年月日が記載されています。

印鑑証明書は自治体の窓口や出張所、市民センターなどの窓口で申請書を提出することで交付されますが、先に印鑑登録を済ませておく必要があります。1通あたり200~300円程度の手数料と、印鑑登録証(カード)の提出を求められますので忘れないようにしましょう。

コンビニでも印鑑登録証明書の交付を受けることができます。ただし、手続きには利用者証明用電子証明書が登録されたマイナンバーカードが必要です。窓口での発行より手数料が減額されている自治体もあります。交付可能な時間が決まっていて24時間対応ではありませんが、早朝や夜間、休日など窓口が開いていない時でも手続きができ、その場で発行されます。窓口の営業時間内に行くことが難しい場合や、窓口が遠くて行くのが大変な場合には便利です。

同じ市区町村内での引越しなら、印鑑登録はそのままでOK

同じ市区町村内での引っ越しなら、役所へ転居届を提出したタイミングで印鑑登録上の住所も自動的に変更されますから、あらためて印鑑登録をする必要はありません。印鑑登録証もこれまで通り、新しい住所で使用できます。

ただし、政令指定都市の場合には「同市内の転居で区が異なる」場合は、手続きが必要な場合があります。管轄の自治体に確認してみましょう。

旧住所が記載された「印鑑登録証明書(印鑑証明書)」は無効になる

「印鑑登録証明書(印鑑証明書)」には、印影・氏名・生年月日・性別・住所が記載されています。したがって、旧居の住所が入った「印鑑登録証明書(印鑑証明書)」は、引っ越し後には使えなくなります。

引っ越し後に使う「印鑑登録証明書(印鑑証明書)」は、新住所が入ったものでなくてはなりません。転居届を出すことで、新住所が入った証明書が入手できるようになります。

引越しをしたら印鑑登録はどうなるの?

手持ちの印鑑を実印として使うためには、住所地の自治体で印鑑登録する必要があります。それでは、引越しをした場合はどうなるのでしょうか。ここでは、引越しにともなう印鑑登録について説明します。

旧住所で自動的に登録が抹消される

別の市区町村へ引越しする際は転出届の提出が必要ですが、印鑑登録は転出届が受理された時点で自動的に抹消されます。印鑑登録については基本的に転出時の手続きは必要ありませんが、手持ちの印鑑登録証(カード)は返却、あるいは裁断します。自治体に確認したうえで指示に従いましょう。

印鑑登録が残ったままにならないか不安なら、引越しの前に印鑑登録を抹消することも可能です。手続きには以下のものが必要になります。

  • 印鑑登録証
  • 本人確認資料(免許証・保険証など)
  • 登録している印鑑(必要の有無は市区町村により異なる)

同じ市区町村での引っ越しなら、転居届を提出することで印鑑登録の住所を新住所に上書きしてもらえるため、特別な手続きをしなくても印鑑登録を維持することができます。 ただし政令指定都市の場合、同じ市内への転居でも区が異なれば手続きが必要となる場合があります。

新住所での新規登録が必要

前述のとおり、旧住所地での印鑑登録は自動的に抹消されますが新住所地の自治体で自動的に登録されるわけではありません。印鑑登録を希望する場合、新住所での新規登録が必要です。
転入届の提出時に行えば何度も窓口へ行かずに済みます。実印の規定の大筋は多くの自治体で共通していて、旧住所地の自治体で登録できた印鑑は新住所地の自治体でも実印として認められることがほとんどです。以前登録していた印鑑もそのまま登録できます。
新たな印鑑を登録するなら、転入先自治体の「印鑑条例」を確認しておくとよいでしょう。

引越し前に発行した印鑑証明書は使用できない

転出にともない印鑑登録が抹消されるため、引越し前に発行した印鑑証明書も無効になります。引越し先でなんらかの契約をする時、これまでの印鑑証明書は使えません。
もちろん、引っ越し前に印鑑証明書を添付して行った契約は有効です。引越し前に済ませる賃貸住宅契約については心配しなくてもよいでしょう。また、とくに指示のない限り新たな印鑑証明書を取得しての契約更新なども不要です。

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